図書館で「てん」(ピーター・レイノルズ 谷川俊太郎訳)という絵本を借りました。

すごく良かったのでご紹介です。(意訳です)

主人公はワシテという女の子。
学校でお絵描きの時間が終わっても紙は真っ白。
イスに座っていじけてる。
 
先生が「あら、ふぶきの中のホッキョクグマね」と
ワシテは「やめてよ、書けないだけ」
「じゃあ何かしるしをつけてみて」と先生
 
ワシテはマーカーをつかんで、ぶっきらぼうにちからいっぱいおしつけた
「これでどう!?」
 
その紙に先生は「サインして」と
「絵なんて書けなくも、名前くらい書けるわ!!(プンプン)」とワシテ
 
次の週、お絵描きの教室に入るとワシテが書いた点の絵が先生の机の上に立派な額縁でかざってある。
 
それをみたワシテ「もっといいてんだってかけるわ」
 
ワシテはてんをかきまくった。
開けたこともない水彩のセットを開けて。
黄色の点、緑、青、色も混ぜてみた。小さな点、大きな点。
点を書かずに点まで表現した。
 
学校の展覧会でワシテの点は大評判
 
ワシテの方を見るちっちゃな男の子
「お姉ちゃんはすごいね ぼくもかけるといいんだけど」と男の子
「かけるわよ」とワシテ
「ぼくが?だめだよ。定規つかってもまっすぐな線が書けないんだ」
 
白い紙を取り出し「やってみて」とワシテ
おとこのこはぶるぶるふるえながら線を書いた
 
くねくねの線 おくびょうな線 はずかしがりの線
 
その線を見たワシテ
 
「おねがい・・・サインして♪」

 
 

初めの一歩は誰だって怖い。恥ずかしい。

でも初めの一歩が一番素敵。一番かっこいい!

ワシテの点を額縁に飾った先生。

一つの点に無限の可能性が隠れている!

どうせ僕は、とか、やったって結局ダメだ、とか、こんなことやっても意味ない、とか、僕はこんなことしかできない、とか。勝手に自分で思っているだけかもしれない。

最近、一緒にお勤めしてくれた2歳の男の子。

お経が済んだ後、私と一緒に「バナナブー(なんまんだぶーだと思う)」とお念仏。

小さいながら勇気だして言ってくれたんじゃないかなぁ。

額縁に入れときたい素敵なお念仏でした。

三次市 西覚寺